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サイドバーを利用したWeb検索
   視点(24) 2002年9月25日 10月10日改訂

1. サイドバーとは何か

  サイドバーは全く新しいものではなく、みなさんがインターネットでブラウザを使っている時にいつもみなれているものです。簡単に言えば「お気に入り」です。現在のブラウザはお気に入りをウィンドウの左端に縦長に表示します。

  最近、検索サイトからツールバーが提供されていますが、ブラウザの上側にあるものをツールバー、左端の縦長部分をInternet Explorerではエクスローラバー、Netscapeではサイドバー、Operaではホットリストと呼びますので、ここでは一括してサイドバーと呼びます。ツールバーもサイドバーも機能的には同じであり、それらの特徴はウィンドウ上に常駐することです。

  ブラウザのサイドバー機能をアップする動きがあります。以下、ブラウザの発展過程、サイドバーの利用は簡単、サイドバーを作ってみませんか、検索デスクサイドバーの制作例、サイドバーをオープンして気が付いたこと、そしてサイドバーへの追加と削除、について述べます。

2. ブラウザの発展過程

  ブラウザでもソフトでも同じですが、バージョンアップを繰り返してよくなっていきます。ブラウザの場合は、パソコンやネットワークの進歩に対応してマルチメディア機能がアップします。しかし、ブラウザの発展に較べてウインドウの画面構成はあまり変化していません。ここでは、画面構成を中心にブラウザの発展を見てみます。

  1)表示画面が一つ -- 640×480のVGAが主体でしたので、ブラウザのMosaicなどは情報を画面一杯に表示するのが精一杯でした。

  2)サイドバーが一つ -- 個人ユーザーの増大で好みのリンク情報を登録・利用できるブックマークが表示画面の左側におかれるようになりました。

  3)ウィンドウが一つから複数へ -- 前の情報に戻らなくても即座にみれるように新規の表示画面は別ウィンドウで表示するようになりました。

  4)表示画面が一つから複数へ -- いわゆるタブブラウザで、一つのウィンドウ内に複数の表示画面を作成でき、切り替えはタブで行います。3)よりも表示は速い。

  5)ツールバーの出現 -- ブラウザ上部にあるブラウザ操作領域に検索機能を取り込んだもので、多くの検索サイトがツールバーを提供しています。

  6)サイドバーが一つから複数へ -- 一番ホットな動きですが、サイドバーが複数のお気に入りやブックマークを持つように拡張されました。Internet Explorerは検索バー、お気に入り、メディアバー、履歴バーの4種類あります。NetscapeのSidebarはブックマーク、メール、コンタクトリストがあり、そこへ独自のコンテンツを追加できます。Operaのホットリストも同様に独自のコンテンツのカスタムパネルを追加できます。IEは4種類が独立しており、排他的に利用できます。NetscapeとOperaはサイドバーのコンテンツを管理できます。入れ物ができたのですが、まだコンテンツがない状態です。

3. サイドバーの利用は簡単

  お気に入りを使ってる人はサイドバーを違和感なく利用できます。なぜなら、その操作法は今までと同じだからです。複数のコンテンツがタブで表示されますので、タブをクリックしてコンテンツを選択します。お気に入りやブックマークはリンクを追加・削除・検索でき、プルダウンメニューが使われています。

  ハイパーリンクはコンテンツに自由に取り込め、それがWebの発展を支えてきました。表示画面に表示されたリンクをクリックすると別画面が表示されます。表示画面からのリンクは、戻るボタンを押したりタブをクリックして元へ戻ります。よく利用する検索やリンクへ戻らなければなりません。しかし、お気に入りやツールバーは戻る操作は不必要です。なぜなら、表示画面と分離され、いつも表示されてるからです。サイドバーはお気に入りと同様に、同じ場所、同じ機能をもっていますので右側の表示画面を即座に利用でき、その逆もできます。

4. サイドバーを作ってみませんか

  お気に入りはブラウザに取り込まれており、それを取り替えたりはできません。それからお気に入りを外部で操作するフリーソフトはありますがあまり使われていません。旧NetscapeのブックマークはHTML文になっていたので、それをダウンロードして差し替えれば他のブックマークを利用できました。しかし、これらはあくまでも一つであり、複数のコンテンツを対象にしたものではありませんでした。

  今回のサイドバーで起きている革新的なことは、HTML文を取り込むことができることです。誰でもベストリンクや分野別専門リンクを作成し、サイドバーに追加できます。それにフレームでリンクを別フレームにしていたサイトも簡単に作成できます。今まで多くの人がリンク集を作っていましたので、これからはサイドバーを取り入れたコンテンツ制作という新しい世界が開かれたとみなせます。

  従来のHTML文はそのままでは利用できません。しかし、少し手直しするだけで使えるようになります。重要な2点について述べます

  4-1)横幅の制約
サイドバーをウインドウの左端に置く関係で横幅は160から200ピクセル内にします。Netscapeは横800のウインドウを対象にサイドバー160、表示画面640に分けています。IEの検索バーやOperaは横1024のウィンドウを対象にサイドバー208、表示画面816に分けています。実際に表示できる横幅は縦スクロールバーの横幅20~30を引いたものになります。なお、ブラウザの方で横幅の変更ができますので、コンテンツに合わせて微調整できます。

  4-2)サイドバー内のリンクのターゲットの明示
すべてのリンクはサイドバーに表示するのか、表示画面に表示するのか、ターゲットを明きらかにしければなりません。

  現在のコンテンツに較べれば非常に狭くなりますが、携帯電話のときのダウンサイズに較べれば自由度は大きくなります。それにHTML文が使えるのはなんといっても魅力があります。最新版のブラウザでは即時に利用できます。チャンス到来です。あなたもサイドバー向けのコンテンツを作ってみませんか。

5. 検索デスクサイドバーの制作例

  検索デスクは複数の検索サイトと複数のベストリンクを1ページにまとめたものです。これをお気に入りのように左側におけないかということで、半年位前から開発にとりかかっていました。そのうちにブラウザにサイドバーがあることがわかり、一覧性にすぐれた従来のホームページに検索デスクバーを加えました。

  内容はホームページと全く同様です。カテゴリーは基本 2種、検索 6種、ニュース 5種、生活 5種からなります。縦長の1ページに収めることもできますが、できるだけスクロールしないようにカテゴリー別にコンテンツを作りました。ブラウザ別にIE用、Netscape用、Opera用の3種類用意しました。ブラウザ別にコンテンツを作るのは邪道ですが、何分横幅に制約があるため、ブラウザごとの差を考慮しなければなりませんでした。

  5-1)Internet Explorer 5.0以上 の場合
IE用検索デスクサイドバー

  サイドバーの管理機能がないため、最初は左側に別ウィンドウを作成しました。その後、検索バーに一時的にコンテンツを追加できることがわかり、そちらに切り替えました。各ブラウザ共通ですが、検索窓に入力したキーワードは他のカテゴリーの検索窓に引継ぎます(寿命3時間)。「消」ボタンを押すと記録を削除します。検索バー内のコンテンツは横幅180ピクセル、すなわち、tableはwidth=180にしてます。

  5-2)Netscape 6.0以上 の場合
Netscape用検索デスクサイドバー

  NetscapeではSidebarと呼び、インストール・削除も簡単にできます。バージョン6.0の2000年末から提供しているため、サイド-バーの改善も進み、タブの表示/非表示などの管理は充実しています。図は検索デスクだけのタブしか出してませんが、他のタブも簡単に取り出せます。1回インストールすれば常駐し、いつでも使えます。上側にカテゴリを配置し、選択すれと画面が切り替わります。

  5-3)Opera 6.05 日本語 の場合
Opera用検索デスクサイドバー

  Operaではサイドバーをホットリスト、そこへ追加するコンテンツをカスタムパネルと呼びます。ホットリストへのインストール・削除も簡単にできます。図はブックマーク、メール、コンタクトリストに検索デスクを追加した状態を示しています。上側のタブをクリックするとコンテンツは替わります。1回インストールすればいつでも使えます。表示画面に影響されずに即座に使えるのは大変便利です。

6. サイドバーを運用して気が付いたこと

  検索デスクサイドバーをInternet Explorer, Netscape, Operaで実際に運用していて気が付いたことがあります。対象のブラウザですが、ユーザーの多いIE 6.0はサイドバーにコンテンツを保存できませんが、コンテンツを検索バーに一時的に追加できます。Netscapeは7.0、Operaは6.05日本語の動作確認しました。以下、箇条書きに記します。

  1)サイドバーは横幅に制約のあるコンテンツで、それを通常のコンテンツと同じにあつかうことはできません。それを識別するコードがなく、HTML文でか書かれていますので、ロボットや巡回ソフト、あるいは他の人に紹介されてしまいます。

  2)サイドバー用コンテンツを通常の表示画面に表示しても効果はなく、むしろマイナスになります。直リンクやロボットの回避などは検索に非常に不利になります。せいぜい、ブラウザの識別をして直リンクを防ぐ位です。

  3)簡単にサイドバーが利用できることがわかれば、多くのコンテンツが制作されます。左側にメニューを表示してるものやフレームを使ってるものは検索バー用に変更可能です。NetscapeやOperaの場合は追加できますが、多くなると管理できなくなります。その点を考慮してIEは一時的なものにしたのかも知れません。

  4)検索サイトはツールバーを提供していますが、スペースが違いますから、やがてサイドバーを提供するようになるかも知れません。そうなれば情報収集ツールとして発展することが予想されます。

  5)サイドバーを使いこなす人が増えてきました。頼もしい限りです。サイドバーを本格的に利用したコンテンツは検索デスクが初めてです。そのため、多くの人にご不便をおかけしてしまいました。いずれ使いこなさなければならないのであれば、検索デスクでマスターしておくのも一つの手です。

  ■検索の視点24に関する、ご意見、ご感想、ご要望をお寄せください
■サイドバーのインストール  ⇒ ナビバーの登録
■2002年10月10日 IEの検索バーを一時的に利用できることがわかり改訂しました。
■2002年10月19日 サイドバーをナビバーに変更、横幅を180から135ピクセルへ縮小。

付録. コンテンツ制作者へ:サイドバーへの追加

  1)Internet Explorer 5.0以上の場合
JavaScriptのwindow.open()にターゲット・オプションが追加されました。検索バーは"_search"、メディアバーは"_media"です。閉じれば削除します。

  1-1) Javascript文
<script type="text/javascript">
<!--
function addSearchbar() {
window.open ("検索バー用URL","_search","");
}
// -->
</script>

  1-2) 追加用リンク

  2)Netscape 6.0以上の場合
インストール用のJavaScriptコマンドを持っています。画面に表示されないJavascript文と画面に表示されるインストール用リンクを作成します。

  2-3) 削除はサイドバー上部の「設定」の一番上にある「Sidebarを設定」をクリックし、右側の「Sidebarのタブ」内の削除タブを選択し、後部の「削除」ボタンをクリックし、「OK」を押します。

  3)Opera 6.05日本語 の場合
通常のリンクタグにrelとtitleを追加するだけです。この場合、先読みソフトに読み込まれない処置が必要です。削除は名前タブ上で右クリックし、表示の中の「カスタムパネルを削除」をクリックします。

   <A href="カスタムパネルURL" rel="sidebar" title="名前">ホットリストへ追加</A>